どちゃ楽 Q.41 「m(x+y)+xy」

Q.41 ☆6 [東工大]

実数$x,y$が$x^{2}+y^{2}\le 1$を満たす。$m $を負でない実数とするとき,$m(x+y)+xy$の最小値,最大値を求めよ。

この問題のツイート: https://twitter.com/so_easy_math/status/937469982266363905

ポイント

$x+y=s$, $xy=t$ と置き換えましょう。

解答

$x+y=s$, $xy=t$ としたとき,$x^{2}+y^{2}=s^{2}-2t \le 1$

解と係数の関係より,$x,y$は二次方程式 $z^{2}-sz+t=0$ の実数解になっているから,この判別式の値は非負である。よって $s^{2}-4t\ge 0$

よって $\dfrac{s^{2}}{2}-\dfrac{1}{2}\le t\le \dfrac{s^{2}}{4}$ となるから,$\dfrac{s^{2}}{2}-\dfrac{1}{2}\le\dfrac{s^{2}}{4}\Leftrightarrow -\sqrt{2}\le s\le \sqrt{2}$ であることが必要条件。また,$s$をその範囲内で固定したとき, $\dfrac{s^{2}}{2}-\dfrac{1}{2}\le t\le \dfrac{s^{2}}{4}$ が$t$の動く範囲となる。

そのとき,$\dfrac{s^{2}}{2}+ms-\dfrac{1}{2}\le ms+t\le \dfrac{s^{2}}{4}+ms$ となる。

求める最大値は $-\sqrt{2}\le s\le \sqrt{2}$ における$f(s)=\dfrac{s^{2}}{4}+ms$ の最大値である。

$m\ge 0$であるから,$0\le s\le\sqrt{2}$ のとき $f(s)\ge f(-s)$ である。よって $0\le s\le\sqrt{2}$ の場合のみを考えればよく,

$f'(s)=\dfrac{s}{2}+m $ は $0\le s\le\sqrt{2}$ において非負(かつ正の値を取る) ため,$f(s)$は増加し $f(s)\le f(\sqrt{2})=\dfrac{1}{2}+m\sqrt{2}$

したがって求める最大値は $\dfrac{1}{2}+m\sqrt{2}$

求める最小値は $-\sqrt{2}\le s\le \sqrt{2}$ における$g(s)=\dfrac{s^{2}}{2}+ms-\dfrac{1}{2}$ の最小値である。

( i ) $\sqrt{2}\le m $ のとき……

$g'(s)=s+m $ であるから,$g'(s)=s+m\ge -\sqrt{2}+m \le 0$ より $g(s)$ は増加するので

$g(s)\ge g(-\sqrt{2})= \dfrac{1}{2}-m\sqrt{2}$

が最小値となる。

( ii ) $0\le m<\sqrt{2}$ のとき……

$g'(-m)=-m+m=0$ より $-\sqrt{2}\le s\le -m $ において $g(s)$ は減少,$-m\le s\le \sqrt{2}$ において $g(s)$ は増加するので

$g(-m)=-\dfrac{1+m^{2}}{2}$ が極小値でかつ最小値となる。

以上より, $m(x+y)+xy$ の最大値は $\dfrac{1}{2}+m\sqrt{2}$

最小値は $\sqrt{2}\le m $ のとき $\dfrac{1}{2}-m\sqrt{2}$,

$0\le m<\sqrt{2}$ のとき $-\dfrac{1+m^{2}}{2}$ である。

コメント

関数や条件の形が対称式ですから 対称式で攻めればよいというわけでした。ある実数$s,t$に対して $x+y=s, xy=t$ なる実数$x,y$が存在するための条件は $s^{2}-4t\ge 0$ です。なお,$s,t$の存在範囲を求めてからは線形計画法でも解けます。最小値は2つの場合分けが必要でしたが,最小値は$m $に対して連続的に変化すると思われますから,場合分けの境界である$m=\sqrt{2}$をどちらの場合にも代入し,値が一致することを確かめておくと自信が持てます。