どちゃ楽 Q.178 「初項1,公差24の等差数列」

Q.178 ☆6 [京大オープン]

初項1, 公差24の等差数列を$\{a_{n}\}$とする。数列$\{\sqrt{a_{n}}\}$の項には$5$以上の素数がすべて現れることを示せ。

この問題のツイート: https://twitter.com/so_easy_math/status/934699280786264067

ポイント

数列${a_{n}}$をそのまま数列として見るよりは,$24$で割った余りが$1$となる自然数全体の集合を表している感じで見るといいでしょう。「5以上」という条件はどこで有効となるのか,そこを考えることも重要です。

解答

5以上の素数を$p$とする。

$p$は2,3と互いに素であるから,ある正の整数$ m $が存在して $p=6m+1$または$6m-1$と表される。$p=6m\pm 1$とおいて

$p^{2}-1=36m^{2}\pm 12m=12m(3m\pm 1)$

$ m $ と $3m\pm 1$ の偶奇は常に異なるため,$ m(3m\pm 1)$は偶数であり,$p^{2}-1$は24の倍数である。

よって,$p^{2}-1=24k$ とおいて,$p$は正だから $p=\sqrt{24k+1}=\sqrt{a_{k+1}}$ より 数列$\{\sqrt{a_{n}}\}$ に必ず現れることが示された。

コメント

東大,京大となると平方剰余の知識は持ち合わせたほうがよいですね。5以上の素数$p$として$p^{2}-1$が24の倍数 という結果はなかなか面白いし,覚えておくと何かいい事があったりするかもしれません。入試で聞かれるのは大抵は $\mbox{mod}3$か$\mbox{mod}4$です。それ以外があるとすれば,$5,7,9$ などの素数の累乗かなと思います。それにしてもこの問題は一瞬すげえなにこれってなりますよね。